ひふみプラスのパフォーマンスをS&P500や国内指標と比較。今後の方針をどうするか・・・
- ひふみプラスを保有していますが負けてます・・・
- ひふみプラス
- 本当にパフォーマンスは低下しているのか?
- 基準価額と純資産総額の推移
- 運用成績の詳細を確認
- ひふみに何が起きていたのか
- 今後はどのような展開が予想される?
- 今後ひふみプラスをどうするか
ひふみプラスを保有していますが負けてます・・・
実はというほどでもないのですが、私は国内株式の資産クラスとして投資信託のレオスーひふみプラスを保有しています。
厳密に言えば外国株式も運用しているファンドですが、運用銘柄は国内株中心なので、私としては国内株式のアセットとして見ています。
それにひふみ自身も東証株価指数(TOPIX)を参考指数として見ています(あくまでも参考であってベンチマークではないようです)。
ちなみに現在、ヤフーファイナンスで基準価額を調べると37,029円と表示されます。
私の平均取得価額よりも低いので、成績はマイナスです・・・残念!
私の保有銘柄で負けているのは全部で3〜4つほどかな?
絶対王者が仮想通貨のXRPで、次点がひふみなはずです。負け額は数万なので、XRPと比べたらだいぶ可愛いのですが( ;∀;)
この1年ほどずっと放置したこともあり値動きは気にしていなかったのですが、他の銘柄と比べて戻りが遅い気がしています。そんなことない?
下落時のナンピン買いをしてないからかもしれませんが。
今後、このひふみをどうしようかと考えています。
ということで、今回の記事はひふみプラスのパフォーマンスについて、改めて検証してみました!
ひふみプラス
ひふみプラスは2017年にガイアの夜明けでも取り上げられ、一時大ブームを引き起こしましたね、懐かしい。
今もSBI証券の投資信託ランキングでは販売金額部門、NISA部門において第1位です。
ひふみプラスは信託報酬が1.0584%とアクティブファンドの中では比較的低く長期運用に向いていると言えます。インデックスと比べたらさすがに負けますが。
加えて「資産を守りながら増やす」という分かりやすい方針を前面に出し、積極的に情報を発信して「顔の見える運用」を実践しています。
事実として人気のある金融商品ですし、ファンドマネージャーの藤野英人氏も有名ですね。
ただ、最近は一時期のパフォーマンスに影りが見えているように思います。
だって全然プラスで推移していないんだもん!!
実際何が起こっているのか・・・、とても気になります。
本当にパフォーマンスは低下しているのか?
ひふみのチャートを見れば明らかですが、18年中旬を境に基準価額が伸び悩んでいます。この値動きの原因は経済動向が一番大きいと思われますが、他の指標と比べてどれほどのパフォーマンスだったのでしょうかね。
基準価額と純資産総額の推移
下図はひふみプラスの2019年1月度、月次レポートを引用しています。
12年からの長期で見るとベンチマークのTOPIXを凌駕していますね。
純資産総額の推移は17年に入り急激に資金が流入し、18年上旬にピークがあります。最近はやや資金が流出しており、基準価額と相関しているようにも見えますね。
純資産総額とパフォーマンスを見比べると、1年ほど前に純資産総額が5000億円を超えていますが、そのあたりからパフォーマンスが落ちているようにも見えますね。
運用成績の詳細を確認
SBI証券HPのトータルリターンを比較
最近の運用成績を詳細にみていきましょう。
下のテーブルはSBI証券のHPに記載されている各ファンドのトータルリターンです。
ひふみがよく比較対象に使っているTOPIX連動のインデックスファンドと、私がメインで保有しているS&P500連動インデックスファンドを比較対象としました。
これらの数字の基準日は2019年1月31日ですので注意が必要です。
1年以上前からのトータルリターンを確認します。3年トータルリターン(年率)をひふみとTOPIXで比較すると、ひふみの圧勝です。
対して1年以内の期間を比べます。1年・6ヶ月・1ヶ月のトータルリターン(年率)をひふみとTOPIXで比べると、1年・6ヶ月はTOPIXの勝ちで、1ヶ月はひふみの勝ちでした。
また、S&P500連動(iFree S&P500)を加えて比較をすると、1年・6ヶ月はS&P500の勝ち(ひふみの完敗)、1ヶ月はひふみの勝ち(TOPIXの完敗)でした。
ひふみの1ヶ月のパフォーマンスが良くなっているのですが、何が起きたのでしょうか(笑)
チャート(2年〜1ヶ月)からパフォーマンスを詳細比較
実際にどういうことが起きたのか、期間を種々変更しながら詳細に見てみました。
チャートの縦軸は値動きの比率でして、期間の始点からそれぞれ何パーセント動いているかを比較していきます。
今回の比較にはS&P500連動ファンド(eMAXISまたはiFree)と日経平均、東証株価指数、JASDAQを用いています。
それぞれの配色は、いずれのグラフもひふみ(9C311125;青線)、S&P500連動ファンド (03311187または04318178;赤線)、日経平均(N225;緑線)、東証株価指数(TOPIX;オレンジ線)、JASDAQ(JASDAQ;黒線)としました。
- S&P500連動ファンド(赤色)は始点がズレているので無視してください。
- 2017年のひふみ(青線)はTOPIX(オレンジ線)や日経平均(緑線)に対して大きく勝っていますが、実はJASDAQ(黒線)と略同じ挙動を示しています。
- 2017年のJASDAQは日経平均・TOPIXを大きく上回るリターンを出しており、このことから2017年は中小型株に資金が流入していたことが良くわかります。結果的に中小型株中心の運用をしているひふみはその恩恵に預かれました。
- 一方、2018年のチャートを見てみると、ひふみのパフォーマンスは大きく低下しています。
- JASDAQ(黒線)の価格推移は低調です。日経平均とTOPIXはJASDAQを上回るパフォーマンスですね。このことは中小型やグロース株から全体的に割安感の大きい大型株やバリュー株に資金が流れていたことを示します。結果としてひふみ(青線)は対JASDAQ(黒線)では勝っているものの、対TOPIX(オレンジ線)で微負け、対日経平均(緑線)では大敗を喫しています。
- 面白いことに2017年とは真逆の結果となりました。
- 半年のパフォーマンスでもひふみプラス(青線)は最も低いパフォーマンスです。18年10月からの下落局面を詳細に反映できた期間ですね。
- ひふみの下落局面を他の国内指標と比べても大きく落ち込んでいることが分かります。実際、この局面を中小型株のJASDAQ(黒線)と大型株の日経225(緑線)で比較しても、18年12月末の同時株安のタイミングでJASDAQはより大きく下落しています。
- ひふみの運用の軸は中小グロースですので、それらの銘柄の売りが目立ち、参考指標のTOPIXや日経平均に大敗した結果となっています。
- 一方で下落からの反発局面を捉えている3ヶ月のパフォーマンスは、ひふみプラス(青線)は対JASDAQ(黒線)、対N225(緑線)、対TOPIX(オレンジ線)の全てに勝ちました。途中まではJASDAQと同じ挙動ですが、期間後半の反発局面で日経225やTOPIXを上回りました。
- 直近1ヶ月のパフォーマンス比較です。下落からの反発局面です。
- ひふみは3ヶ月と同様、他の国内株指標を大きく上回りました。
- JASDAQは日経平均やTOPIXと比べてもパフォーマンスが良いので、売られ過ぎた中小型株が戻したということもあります。その地合いにひふみがちゃんと乗れているということですね。
- (そして、このようにみるとアメリカ株(S&P500)強すぎですね!笑。1年〜1ヶ月まで全てで1番良いパフォーマンスじゃないですか!!笑)
ひふみに何が起きていたのか
ひふみプラスは中小グロース株を軸に運用しています。色々比較してて思いましたが、ひふみの参考指標はTOPIXでなくJASDAQの方が良いですね(まあ、それだとうまく差が出せなくて、顧客へのアピールとして微妙なのでしょうが・・)
ひふみは2017年までは中小型株の価格上昇の地合いがプラスに働き、参考指標のTOPIXを上回りました。(そして、JASDAQとはチャートが良い一致を示しました。)
対して近年のパフォーマンス低迷期は運用の軸になる中小型株の価格が低迷していました(なのでJASDAQも一緒に低迷しています)。資金は大型バリュー株へと流れたため、TOPIXや日経平均に対してパフォーマンスが下回りました。特に下落局面では中小株の売りが目立ち、ひふみの基準価額を大きく下げることになりました。ただ、その際に売られ過ぎの中小優良銘柄の買い増しや新規投資を実施したため、最近の反発局面で他の国内指標を大きく上回るパフォーマンスを見せています。まあ反発局面は売られ過ぎの中小型株が大きく戻したということもデカそうです(JASDAQ vs 日経平均)
うん、スッキリした(笑)
今後はどのような展開が予想される?
ポジティブなこと
①下落局面で格安な優良銘柄への投資に成功していた
②下落局面でそもそも中小型株が売られ過ぎていた可能性あり
以上のことから、今後も反発相場が継続すれば、種々の国内指標を上回るパフォーマンスを期待できると考えています。
ネガティブなことは「基準価額と純資産総額の関係」
個人的に気になるのは「基準価額と純資産総額の関係」です。
ここでは上述のようにひふみのパフォーマンスが低下したと考察しましたが、総資産総額が急上昇したタイミングで基準価額が落ちていることが気になります。
中小型グロース株を中心に運用するひふみプラスは、運用額が大きくなると以下のようなデメリットが生じます。
①優良なグロース銘柄をより多く探さなければいけない。
探しきれない場合は大型株やバリュー株への投資割合が大きくなります。実際に時価総額3000億円以上の大型株の保有割合は増えています。この傾向が続くと、期待されるパフォーマンスは悪化しそうですよね。
アメリカの大型グロース(アマゾン、マイクロソフト、ビザなど)を保有する理由も、国内大型株の成長性を補完するためという説明がなされています。
②運用担当者を増やす必要があるため、その能力にバラツキが生じる。
どのくらいの影響があるかはわかりませんが、アクティブファンドは担当者の能力に左右されるということも言われています。
今後ひふみプラスをどうするか
今回の検証で思ったこと
①現在は負けているけど、短期的にはパフォーマンス改善余地がありそう。
②ひふみプラスは日経平均やTOPIXというよりもJASDAQに近い値動きをしている。それをどう考えるか?自分のポートフォリオにあうかあわないか。
③今後、大型アメリカ株を増やすという話も出ているので、そのようなところに直接投資すれば良いだけとも考えられる
④改めてS&P500の強さが分かりました。笑 チャート比較していたらどの期間でもパフォーマンス高杉笑
ということで、とりあえずは①を期待して、マイナスが解消されるまでは持ち続けようと思います。