S&P500は「buy the rumors, sell the fact」相場だったりする?
S&P500種は戻し局面です
この最近のアメリカ株の戻しはなかなか強いですね〜。
青色が我らがS&P500、赤色がダウ、紫色がナスダック。対して日経225はオレンジ色。最安値からの戻り幅は日経と比べてアメリカ株は大きいですね。完全勝利ですな。いやっふ〜・:*+.\*1/.:+
今後の展開は?
貿易交渉の状況
ここまでくると、どこまで戻すか非常に気になりますね、うん。
昨年10月の世界同時株安は米中貿易戦争激化による先行き不安によるもので、それがキッカケになって長く続いた上昇トレンドが崩されてしまいました。
現状は貿易戦争の緩和期待で戻し局面ですが、今後も高値更新を目指すような展開はあり得るんですかね。
個人的には、株価の変化は貿易摩擦に寄るところが大きいので米中の交渉結果次第と思います。
先週は北京で交渉していたようで、トランプ大統領もツイッターで「とても生産的」で「大きな進捗があった」とつぶやいてました。
Trade negotiators have just returned from China where the meetings on Trade were very productive. Now at meetings with me at Mar-a-Lago giving the details. In the meantime, Billions of Dollars are being paid to the United States by China in the form of Trade Tariffs!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) February 17, 2019
Important meetings and calls on China Trade Deal, and more, today with my staff. Big progress being made on soooo many different fronts! Our Country has such fantastic potential for future growth and greatness on an even higher level!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) February 17, 2019
そして今週末はワシントンで交渉みたいです。関税の追加制裁だけはほんと勘弁して欲しいよね。笑
市場の見方
市場は貿易交渉をどう見ているのでしょうか。以下はbloombergの記事引用です。
市場が織り込んでいるのは、通商問題の一部しか米企業に有利な形で決着しない「部分的合意」。これに対し、最善のシナリオとなった場合は、「本物の合意」の成立時にS&P500種株価指数は5ー10%上昇する可能性があるという。一方で、本格的な貿易戦争となればS&P500種が最大10%急落するとみている。
仮に上手くいっても本当に10%も上がるのかな、高値更新するじゃん!!
ほんとかよ、ということで、その可能性を考えてみました。
buy the rumors, sell the fact
これは投資界で有名な格言ですね。この格言にS&P500が当てはまるんじゃないかなと考えたのです。
買い材料の噂が出た段階で買って、事実として発表された段階では、売った方が良いという意味の格言で、相場は事実よりも先に噂や思惑で動くものなので、事実として公表された段階では既に織り込み済みのためなっている場合が多いということ。
じゃあrumorはいつ?
市場は交渉結果を中途半端に見ている感じでした。アメリカと中国の痛み分け的な。まあ具体的な進捗を知っている人なんてアメリカの政府関係者しかいないので、あくまでニュースなどの報道ベースから判断していると考えて良いでしょう。
期待感から投資家の感情としてリスクをとる流れなので、今が「buy the rumors, sell the fact」のrumorの時期に相当しているかもしれませんね。
factが出たらどうなる?
じゃあ、factが出た時にどう動くか。。議論を明確にするためにも、交渉結果の場合分けを考えます。
①アメリカの最善シナリオで妥結!→価格上昇
②痛み分け→織り込み済み
③交渉決裂で追加制裁発動!→価格下落
ということなので、①の後に価格上昇して高値更新を目指すのか?という話に絞ってみます。
アメリカ経済のリセッション入りも囁かれているなかで、個人的にはファンダが劇的に強くなっているようにはどうも思えないんですよね。
アップルをはじめ業績を下方修正している企業も多いし、経済指標としても悪い数字のものも出て来ているし、S&P500企業のEPS成長率などの2019年の見通しもこの6週間で大きく下方修正されています。
実際に2019年の収益成長率の見通しを比較してみます。(FactSet Reserch system inc. 資料より抜粋)
2018年12月31日の予想がグレーで2019年2月15日発表の資料が紺色です。
見比べると、S&P500全体や各セクターの見通しはいずれもこの6週間で下方修正していることが分かります。
ファンダメンタルはそこまで強くなさそうな印象を受けますが、テクニカル的にはどうなのか。相場の過熱感を確認する指標として相対力指数(RSI)に着目しました。
上図のろうそくがS&P500種です。オレンジ色は日経平均株価です。
下図の紫色ラインがS&P500種です。オレンジ色が日経平均株価です。
S&P500種は2018年クリスマスイブに20%を切った後、一気に値をあげてもう70%近いところまで来ています。早いですね〜。
RSIは逆張りに強い指標なので、順張りが必要なトレンド相場では逆の方向を示すことになるので注意が必要ですが、レンジ相場の場合は参考になると思っています。あくまで素人考えですが。
現在は70%付近なので多少の過熱気味とも言える状況で、今後注意が必要かもしれませんね。
まとめ
①S&P500の価格推移は米中貿易交渉の結果に大きく左右されると考えています。
②市場は部分的合意を折り込んでいます。最善シナリオになった場合、本当に株価は上昇するのでしょうか。
③また、現在は市場センチメントの改善による戻し相場であり、アメリカ株市場のファンダメンタルは強いとは言えない状況と考えています。また、テクニカルでは多少過熱気味のサインが出ています。
④上記の考え通りであれば、交渉が終了し結果が出たタイミングで典型的な「buy the rumors, sell the fact」相場になるかもしれません。
まあ、私は毎月20万円をS&P500に機械的に積み立てていくだけなのですが、、、笑
いずれにせよ、暴落チャンスが来た時の緊急用追加資金はしっかり準備しておかないといけませんね!
*1: °ω°