"マドギワ" サラリーマン研究員の日常

妻子持ちマドギワ企業研究員が経済的自由の達成を目指して投資に挑戦しています。子育てや仕事についても綴ります。

【ビザ vs マスターカード】リップル提携会社に対して米国カード会社が買収競争している件

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はじめに

これまでのエントリーに記したように、私はRipple社の開発しているXRPを推しています。

XRPは国際送金のブリッジ通貨としての使用が期待されており、中央銀行、国内外銀行、決済プロバイダー業者、資金移動業者への採用が期待されています。

当然ですが決済サービス会社(ビザやマスターカード)との関係性も大切で、仮想通貨とクレジットカードの立ち位置を把握するのは重要ですよね。

ちなみに国際決済の市場は成長性・収益性に優れとても将来性があると思っています。そんな感じで、私もビザ株を保有しています!笑

 

ところでそのビザは「仮想通貨は短中期的に脅威にならない」という見方を示しています。一方、世の中が仮想通貨に向かうならば、軌道修正すると(2018年10月末の発言)。

www.cnbc.com

 

やはり仮想通貨をいますぐ使おうとするのは、規制やボラティリティの点で難しいのかもしれません。

 

ただ最近ちょっと面白いことが起こっています。

今回はリップルネットを採用した国際決済プロセッサのEarthport社とクレジットカード会社(ビザ・マスターカード)の動向に着目します。

 

Earthport社とは

Earthport社はロンドンに本拠をおく国際決済プロセッサで、国際送金・決済などのインフラ事業を手がける会社です。2014年にはリップル社と提携し、RippleNetを採用しています。2016年には国際決済の効率化に向けてリップルの分散型台帳プロトコルと提携銀行をつなげるAPIを立ち上げています。現在の国際送金インフラはSWIFT社が提供しているものが主流ですが、その代替を狙っていますね。

www.earthport.com

 

これまでの国際送金は決済完了までの時間と手数料が予測不可能で、利用者はその両面に対して高いコストを支払う必要がありました。適切な金額を適切な時期に国境を超えて送金することは困難だったのです(Figure 1 左)。

 

一方、Earthport社は世界各国にネットワークを持ちます。銀行間や事業会社間の国際決済をEarthport経由で処理することで、低コストの決済サービスを提供することができます(Figure 1 右)。海外送金額の下限を100USドルとして、必要な手数料はわずかに10ドル以下という安さでサービスを提供しているとのこと。すごいですね〜〜。

 

 

Figure 1. 従来までの国際送金システム(左)とEathport経由での国際送金システム(右)Eartport社HPより抜粋

 

実際にEarthport社はバンクオブアメリカ・メリルリンチやゆうちょ銀行などの顧客機関と提携し国際決済システムに貢献しています。最近もそのインフラ網を広げており、2018年は新興市場や先進国市場のグローバルネットワークを30%以上拡大させたようです。Earthportの独立ネットワークが益々広がることで、現在88カ国で国境を越えた支払いが可能となっています。これらの取り組みが評価され、同社はPayments Awards 2018にて「最優秀クロスボーダーペイメントソリューション」に選ばれ表彰されました。

 

以下は2015年発表のゆうちょ銀行の声明です。Earthport社と提携し、送金手数料が削減されました。

news.mynavi.jp

 

 

Earthport社の株価とクレジット会社の動向

さて、そのようなEarthport社ですが、株価を見ると少し面白いことがわかります。

昨年の12月から株価が高騰しています。12月初旬には6〜8ペンスだったのが、現在は44ポンドです。一体何があったのでしょうか。

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Earthport社 株価


それはEarthport社の買収競争をビザとマスターカードが繰り広げていることにあります。

昨年12月末、ビザが買収金額として1億9800万ポンド(約276億1000万円)(一株あたり、30ペンス(約42円))でEarthport社を買収したと発表しました。発表時の終値7.45ペンスに対して、買収提示額はその約4倍の高さであり、株価高騰の引き金になりました。すげーーーー!!

 

このビザの動向に対して焦ったのは、ライバルのマスターカードです。

マスターカードは年が変わった1月25日、Earthport社に対し1株当たり33ペンスで買収案を提示し2億3300万ポンド(約336億円)の評価をつけました。この買収提示額はビザを上回ったため、Earthport社の取締役会はマスターカードの提案を「魅力的」と判断しました。

お〜、マスターカードはビザの上を行きましたね!!

 

しかしながら、そこで引かないのがビザです。

2月8日、ビザはEarthport社に対する買収案として約2億4,700万ポンドへと増額し、ライバルのマスターカードの入札額を更に上回る額を提示しました。凄い。。。。

www.reuters.com

 

Earthport社はMastercardの入札を支持していましたが、ビザのオファーを受け入れ予定みたいです。そりゃそうですよね、より高い方に行きますから。

一方のMastercardもオプションを検討しているみたいです。ビザの提案を受け入れるなと言っているようですが、果たしてどうなるのか。。

 

このようにクレジットカード会社のEarthport社買収競争はとても熾烈なものになっています。どちらが勝利するのか、更にはビザやマスターカードなどの決済サービス大手とRipple社の関係が今後どうなっていくのか、目が離せませんね!

個人的にはビザ株を持っているので、ビザに勝って欲しいところですが。笑

 

決済サービス大手企業にXRPが採用された場合の価格予測

実際にXRPが決済サービス大手(ビザやマスターカード)に採用された場合、その価格は幾らになるのでしょうか。

実は推測価格がRIPPLE NEWSという記事に記載されています。“Crowd Conscious” という名のブロガーが推測した額みたいで、その数字の根拠までは確認していません。。

ripplenews.tech

 

この記事の一部を以下に抜粋します。

If XRP were used by Visa it would increase the value of each XRP by $229.742If XRP were used by Mastercard it would increase the value of each XRP by $90.35

Visaに採用された場合、$229/XRP

Mastercardに採用された場合、$90/XRP

 

え??という額ですよね、とても夢があります(笑)ニュースリリースは2018年1月なので、XRPがイケイケな時期です。

実際にXRPを含む仮想通貨がすぐに採用されるとは上述の理由(規制やボラティリティ)から難しいとは思いますが、実際にRipple社と決済サービス大手が提携することで価格上昇の見込みはあるかもしれません。

 

この出来事が示すこと

決済サービスの大手2社がともにEarthport社を買収しようとするということ。これが意味するところは、「低コストで早く決済できるシステム」は魅力的であり、国際送金の標準になり得るということでしょうね。そして、その中核にはリップルネットが使われている。近い将来、国際送金・決済技術にブロックチェーンをはじめとした分散型台帳技術(DLT)が当たり前に使われる日が来るでしょう。(SWIFT GPIにもDLTの使用が検討されていますしね)

 

そして、将来的にビザやマスターカードXRPを使用するということになればとても嬉しい限りです。

 

まとめ

  • RippleNetworkを統合したEarthport社を巡り、ビザとマスターカードが熾烈な買収競争を展開。
  • それだけ国際送金・決済需要が大きくなってきていることは間違いなく、そのキーワードは「低コスト・高速化」。
  • Earthport社とも提携したRipple社と決済サービス大手との関係が今後どうなっていくのか要注目。更にXRPが採用される場合、その推測価格は$229/XRPとのこと(あくまでも推測です)。

 

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